読書感想文:『豚のレバーは加熱しろ』1巻【書評・ラノベ】

2022年12月27日

『豚のレバーは加熱しろ』1巻はどんなラノベ?

電撃文庫公式サイトより引用
あらすじ

異世界転生したら豚になっていた主人公が、心を読める少女に拾われて、一緒に冒険の旅に出る。魔法も特殊能力も持たないただの豚が、知恵と勇気を武器に、少女の過酷な宿命に立ち向かう。

鮪田スコア

85点 ★★★★★★★★☆☆

『豚のレバーは加熱しろ』1巻を読んでみた!(※ネタばれあり)

ヒロインのジェスたそが大正義美少女天使なのはもちろんだけど、主人公の豚さんが賢くてかっこよくてブヒブヒしててかわいい。読者は、この豚さんの視点で、ジェスたそのスカートを見上げながら旅をします。天才の発想です!

ジェスたそは人の心が読めるから、豚さんのえっちな考えまで筒抜けですよね。でもむしろ、その筒抜けこそがジェスたそが豚さんを信頼する理由になっていて、なんだか読んでいて安心でした。豚さんがナイフで刺されて死を覚悟したときの思考とかめっちゃ男前で、それがちゃんと全部ジェスたそに伝わってることが心地よかったです。その一方で、心を読まれないように必死で無意味なことを考えたりする豚さん可笑しい。「俺は豚、俺は豚、草うめえ、草うめえ」噴くwwwww
イケメンのノットとの交渉シーンかっこよかったです。豚さんが、鋭い弁舌を武器に交渉を制する痛快さ。なにせ姿が豚だから、男前な言動ぜんぶにギャップ萌えがパッシブ発動するんですよ。

読み終わってみると、ジェスたそのおぱんつだけじゃない「めちゃめちゃ面白い本読んだなあ!」ってかんじでした。もし私が学校の先生だったら、夏休みの課題図書にしたいくらい。おぱんつ頻度的に課題図書にする学校は無いかなと思うけど、でもほんと、切り口こそラノベならではのコミカルなギミックだけど、中身はハリーポッターばりの壮大なファンタジーアドベンチャー活劇というスケール感でした。
豚さんとジェスたそがお別れすることによって成り立つハッピーエンドは、ハッピーエンドと呼ぶにはほろ苦い、エッチな豚さんが大事なところで見せてくれた誠実な言動にぐっときます。
熱い冒険物語で、切ない恋物語でした。