読書感想文:『わたし、二番目の彼女でいいから』2巻【書評・ラノベ】
『わたし、二番目の彼女でいいから』2巻はどんなラノベ?
電撃文庫公式サイトより引用
早坂さん、橘さんと、それぞれ隠れて逢瀬を重ねる桐島くん。前巻で十分異常だった3人の関係が、これでもかと泥沼化していく。文化祭もあるけど、あんまり気にしなくていいです!
91点 ★★★★★★★★★☆
↓1巻の感想はこちら
『わたし、二番目の彼女でいいから』2巻を読んでみた!(※ネタばれあり)
浜波ちゃん登場
2巻では、浜波ちゃんという後輩女子が登場します。
すごい子です!
浜波ちゃんの役割は、コメディリリーフです。
主役たちのドロドロを緩和して場を和ませます。
……が!
彼女のポテンシャルは、そこに留まりません。
浜波ちゃんは「観測者」です。
阻止すべき「アブノーマルの日常化」
この『わたし、二番目の彼女でいいから』の世界って、とにかくアブノーマルじゃないですか。
それも、「あのシーン、アブノーマルだったよね」ってレベルじゃなくて、全編ずっとアブノーマルじゃないですか。
するとどうなるかというと、アブノーマルが日常化してきて、読者はアブノーマルをアブノーマルと感じなくなってくるんです。
超サイヤ人のバーゲンセールみたいな。
そこで、「観測者」浜波ちゃんの登場です!
「観測者」浜波ちゃん
つまり、アブノーマルは、観測者がいてこそアブノーマルと認識できるわけです。
主役たちの状況を知って、浜波ちゃんがこうコメントします。
「狂気!」
気持ちいい。
この狂気の世界を、作中のキャラがちゃんと狂気だと言ってくれることが気持ちいい!
作中で起きていることを、作中のキャラが観測して評する。
これによって、「読者が状況の異常性を反芻できる」という、魔法のような仕掛けなのです!
まとめ
以上、新キャラ・浜波ちゃんについてでした。
↓ちなみに、彼女のセリフは、こんな顔文字みたいな顔を想像して読んでます。
Σ(◎Д◎;)「狂気!」
ただのコメディ担当じゃない。
この、二番目彼女ワールドにカチリとはまった「観測者」という最後のピース。
読者に、このラノベの異常性を何度も反芻して楽しませてくれる魔法のカタルシス装置。
それが、浜波ちゃんです!