読書感想文:『妹はカノジョにできないのに』1巻【書評・ラノベ】
『妹はカノジョにできないのに』1巻はどんなラノベ?
電撃文庫公式サイトより引用
かわいい中学生の妹・雪季との日常は、ずっと続くものだと思っていた。一緒にゲームをしたり、デートをしたり、ときには一緒にお風呂に入ったり。まったく、いつまでも子供で困った妹だぜ。
84点 ★★★★★★★★☆☆
『妹はカノジョにできないのに』1巻を読んでみた!(※ネタばれあり)
辞書の「妹」、ラノベの「妹」
↓以前の記事で、「陰キャと美少女」について書きましたが、
この大人気テンプレ「陰キャと美少女」にも負けない、
ラノベにおいて、絶対王者的人気を誇る永遠のテーマ。
それが、「妹」です。
辞書に載ってる「妹」とは違うんです。
いも-うと【妹】
きょうだいのうちの年下の女。⇔姉
(デジタル大辞泉)
「きょうだいのうちの年下の女」て。
この何者でも無い感わらう。
本記事で語りたいのは、そういう何者でも無い辞書的な妹でなく、
朝、布団に飛び乗って起こしてくれたり、
偶然おっぱいを揉まれたりするほうの妹です。
「おっぱいを揉まれる」が常態化した妹像
『妹はカノジョにできないのに』は、仲が良すぎる兄妹によるラブコメ。
妹・雪季ちゃんのキャラクターが突き抜けてました。
兄の前で着替え、兄とお風呂に入り、兄におっぱいを揉まれる日常が常態化した風景は、一周回って和むくらいには正しくラノベ概念としての妹してました。
そして、ラノベの妹と言えば、血の繋がりの有無が肝心。
このラノベでは、その部分に大きなギミックが仕込まれていて、まさに「妹」というファンタジーを加速させた先にある、新時代の妹ラノベを堪能しました。
ところで、他作品ですが、『妹さえいればいい』の主人公・羽島伊月先生は、変態的な「妹」好きで、頭のおかしい「妹小説」プロットをいろいろ書きますよね。
『妹はカノジョにできないのに』を読んでいると、「『妹さえ』の羽島先生が書いた妹小説ってこんなかんじだったのかな…」と想像が膨らみました。
現実世界にも、羽島先生のように「妹」に創作の熱量を注ぐ作家さんたちがたくさんいて、知恵と努力と妹愛で、突き抜けた妹ヒロインたちを生み出していることを実感して感慨深いです。
「妹」という語は、単なる血縁関係の呼称です。
「セーラー服」だって、単なる衣服の種別名称だし、「うなじ」は、単なる身体の部位名です。
そこに単語以上のロマンを宿すのが、言葉の、物語の素晴らしさというものでしょう。
まとめ
妹ヒロインを「神」と呼ぶ羽島先生に倣って言えば、
『俺妹』の桐乃神は言いました。
「は? さわったでしょ?」
『偽物語』の月火神は言いました。
「お兄ちゃん、妹のおっぱい触り過ぎ!」
そして令和の時代の妹神、『妹カノジョ』の雪季神は言います。
「ちょっと触ってみたらわかるんじゃないですか?」
「妹のおっぱいを触る」というシーンひとつとっても、かように様々な表現が工夫され、今もなお新境地を切り拓くべく、天才たちによって探求・研鑽されていることを思うと、
胸熱です。(おっぱいだけに)