読書感想文：『元カノとのじれったい偽装結婚』1巻【書評・ラノベ】

2022年12月31日

『元カノとのじれったい偽装結婚』1巻はどんなラノベ？

MF文庫J公式サイトより引用

『元カノとのじれったい偽装結婚』1巻を読んでみた！（※ネタばれあり）

このラノベ、いわばラブコメ版の「笑ってはいけない」でした。
お互いイヤイヤ結婚したふうを装いつつ、じつは両想いな二人が、好きという本能に抗いながらイチャコラ喧嘩することによって甘酸っぱさ天元突破という幸せラブコメ構造になっています。
この「本能に抗いながら」がミソです。「笑ってはいけない」と同じで、「抑制こそが感情をブーストする」という人間らしい心理メカニズムですね。

この作者さんの作品めちゃめちゃ好きでして。
『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか？』『娘じゃなくて私が好きなの！？』『きみって私のこと好きなんでしょ？』など、極上ラブコメを量産している作者さんですが、この『元カノ』は、その中でもめちゃめちゃ好みでした。まさに「達人が書いたラブコメ」で、序中終盤どこにも隙が無いです。

【起】複雑な状況設定を、爆速スピード感で読ませてくれる導入
【承】そこから生まれる、ニヤニヤエピソード連発な序盤
【転】秋乃さん襲来エロピンチな中盤
【結】お祖母ちゃんのお見舞いでホロリ

お見舞いですっかり「いいエンディングだった」ムードになってたら、最後の最後で「どうして過去に二人が別れたのか」が明かされる大オチの見事さ！ 笑って、萌えて、泣けて、膝を打つ。こんな完璧なラブコメある？

タイトルの「偽装結婚」は二重の意味になっていて、本当は偽装結婚を偽装しているわけですね。素直になれない主役二人が初々しくて、なんかもう祖母目線で応援したくなりました。
はよ結婚しろや。（してる）