読書感想文:『元カノとのじれったい偽装結婚』2巻【書評・ラノベ】

2023年1月24日

『元カノとのじれったい偽装結婚』2巻はどんなラノベ?

MF文庫J公式サイトより引用
あらすじ

偽装結婚生活を続ける晴くんと理桜ちゃん。二人の家に、晴くんの職場同僚たちが遊びに来ることに。もともと晴くんが気になっていた同僚女子・鹿野さんは、二人が政略結婚なのではないかと疑っていた。

鮪田スコア

84点 ★★★★★★★★☆☆

↓1巻の感想はこちら

『元カノとのじれったい偽装結婚』2巻を読んでみた!(※ネタばれあり)

理桜ちゃんの最強パートナーは、くんじゃない!?

不器用で、でも健気で。
思い込みが激しいわりに、クソ雑魚メンタル。

そんな理桜ちゃんは、このラノベの面白さの核となる、超絶魅力的なヒロインです。

そして、お相手の晴くん
彼こそが、理桜ちゃんの魅力を引き出す最強パートナー……と言いたいところなんですが。
最強は、ほかにいます。

この物語における、理桜ちゃんの最強パートナーは、

間違いなく、メイドの林田さんです。

↓右端が林田さん(29)

MF文庫J公式サイトより引用

理桜ちゃんのポテンシャルを引き出す林田節

理桜ちゃんと晴くんの相性も素晴らしいんですが、相手が悪いです。
理桜&晴の相性が98点だとすると、理桜&林田は2億点。

理桜ちゃんの圧倒的ヒロインポテンシャルを引き出しているのが林田節です。
林田さんと話しているときの理桜ちゃんほんと可愛い!

序盤の「抜き抜きパラダイス事件」のことで林田さんに相談する理桜ちゃん。

林田「手や口での性的奉仕がメインとなります」
理桜「て、手や口で……!?」

林田「晴様は溜まる一方じゃないですか」
理桜「溜まる一方……!?」

はいかわいい。
林田さんのセリフを、理桜ちゃんが繰り返してるだけなのに、なんでこんなに可笑しくて可愛いの。

理桜ちゃんの「不器用さ」に対する林田さんの「シニカルさ」という、いわばボケツッコミが明確であるために噛み合う相性の良さはもちろんなんですが、もうひとつ、林田さん自身の中に備えられた、多岐にわたるギャップ萌えもうまく機能しています。

ギャップ要素というのは、「〇〇なのに、△△」と書き表すことができます。
林田さんのギャップを書き出してみましょう。

林田さんが持つギャップ要素一覧

①「メイドなのに、毒舌」
②「美人なのに、無表情」
③「しっかり者なのに、男運が悪い」

④「優秀なのに、俗っぽい」

これらのギャップが機能し、無慈悲でシニカルなツッコミが放たれたときこそ、理桜ちゃんが最も輝くモーメントを生み出しているのです。

まとめ

ということで、「理桜ちゃんの魅力の多くは、林田さんが引き出している」というお話でした。

シニカルで鋭い林田節は、多くのコメディシーンを生み出しながら、最後には、理桜ちゃんが向き合うべき物語の大きなテーマにも切り込みます。

「今の理桜様が向き合わなければならないのは、鹿野様でも晴様でもなく……ご自身の心だと思いますから」

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根底に、理桜ちゃんとの信頼関係が見える毒舌だからこそ、我々は林田さんの登場にワクワクするのです。

ギャップ要素リストに追加です。

林田さんが持つギャップ要素一覧

①「メイドなのに、毒舌」
②「美人なのに、無表情」
③「しっかり者なのに、男運が悪い」

④「優秀なのに、俗っぽい」
⑤「理桜ちゃんに厳しいのに、優しい」 ←NEW!