採用面接で「最近読んだ本」を聞かれたら、ラノベを答えてもいいの?
ラノベは、面接官の印象が悪い?
就活の採用面接では、「本」について質問されることがありますよね。
「最近読んだ本は何ですか?」とか
「好きな本は何ですか?」とか
こういうとき、ラノベのタイトルを挙げてもいいものでしょうか?
ラノベ好きの
悩みどころです
- ラノベは、面接官の印象が悪いのではないか?
- オタクだと思われて、不採用になるのではないか?
いろいろ考えると、正直に好きなラノベを答えて良いものか、迷っちゃいますよね。
この記事では、「採用面接におけるラノベ」について、面接官の視点から解説します。
面接官の視点から
私は、上場企業の人事担当だった時期があって、採用面接官として数百人を面接しました。
その経験から、いきなり結論を言いますと、
「好きな本がラノベでも、まったく問題無し」です。
ぜんぜんOK
「それって、鮪田がラノベ好きだからじゃないの?」と思うかもしれませんが、
それ以前に、「どの本の名前を挙げるか」は重要じゃないのです。
じっさい、ラノベを読まない年配の面接官さんにも聞いてみました。
みんな口を揃えてこう言います。
どの本を選ぶかより
何を語るかじゃないですか?
考えてみたら、そうですよね。
「シェイクスピア読みました!」
「聖書読破しました!」
と答えたところで、何も語れなかったら意味が無い。
逆に、マンガだろうと官能小説だろうと、興味を惹きつける話ができるなら、面接官にとっては好印象です。
では、好きな本にラノベを選んだ場合、どんなことを語るのがよいでしょう?
次項から説明していきます。
採用面接で『ダンまち』を語るには
例として、あなたは面接官にこう答えたことにしましょう。
「最近読んだ中では『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』が最高でした!」(※以降、『ダンまち』と略します)
語るにあたって、一番意識すべきはこれです。
面接官は、『ダンまち』のことが知りたいわけではなく、あなたのことが知りたい。
だから
あらすじを延々語るのはNG
語るべきは、「あなたが『ダンまち』をどう考察しているか」です。
そうすれば、面接官は、ダンまちのことじゃなくて「あなた」のことを知ることができます。
さて、あなたが『ダンまち』の魅力を語っているとき、面接官は何をチェックしているのでしょう?
面接官のチェック項目さえ知っていれば、語る内容を考えるのがぐっと簡単になります!
次項で説明しましょう。
面接官は、何をチェックしているか?
以下は、あなたが『ダンまち』の魅力を語っている時の、面接官のチェック項目です。
実際に、採用担当者が使っていたものです。
- 説明がわかりやすいか
- 自分の言葉で話しているか
- 独自の切り口があるか
- ウィットがあるか
- 理解力があるか
- 敬意があるか
ひとつずつ、解説していきます!
説明がわかりやすいか
会社というのは多くの人が一緒に働くので、「何かを伝える」という機会がとても多いです。
だから、説明が上手な人を採用したい
「説明が上手だな」と感じる人は、面接官の理解度を察しながら話せる人です。
逆に、あらかじめ暗記した文章を一気に話す人がいるんですが、聞いてて頭に入ってきづらいですね。
だから、事前準備するなら、完璧な説明文章を用意するより、友達とかと『ダンまち』の魅力をガチで語り合っておくといいですよ。
自分の言葉で話しているか
ネットで見かけたような情報を話してるだけの人というのは、バレてしまうものです。
あなたの周りにもいませんか?
ネット情報ばかり話す人
バレるよね
拙くても、自分の意見を言葉にしている人の話には迫力があります。
面接官は、そこに「自分の仕事に責任持ちそう」という頼もしさを感じます。
独自の切り口があるか
「ダンまちの魅力は、ヘスティア様が可愛いところです!」だとイマイチです。
もちろんヘスティア様は可愛いけど
それって誰でも語れる魅力だからね
「すごい」「熱い」「可愛い」といった主観的な感想だけじゃない、面接官の興味を惹く切り口で『ダンまち』の魅力を語れたら素晴らしいです。
簡単なテクニックとしては、「他作品で例える」のは、オススメです。
他作品は、『ダンまち』よりも有名な作品だとなお良いです。
たとえば、『ドラクエ』や『ロードオブザリング』の魅力に重ねて『ダンまち』を語れば、『ダンまち』を知らない人にも伝わりやすいでしょう。
ウィットがあるか
目を見て、楽しそうに、一生懸命語っている姿は、面接官から見て「本当に好きなんだなあ」と、ほっこりします。
面接官は、そういった姿勢を見て、仕事への集中力や熱意と重ねるので、プラス材料となります。
話し方が好印象な友達とかを
真似するのも有効です
理解力があるか
あなたが『ダンまち』について語っている途中で、面接官が質問を挟むことがあります。
そのとき、質問内容とズレた回答をすると、「理解力が低いのかな」「人の話をあまり聞いてないタイプかな」という印象になりかねません。
質問はよく聞いて、もし質問の意味が分かりづらかったら、きちんと確認するのがよいでしょう。
見切り回答する人は
あんまり印象よくないです
敬意があるか
作品の悪いところを揶揄したり、上から目線の批評は、面接官に「他者への敬意が薄い人なのかな」という印象を与える危険があります。
『ダンまち』だけでなく、前述の例なら『ドラクエ』や『ロードオブザリング』を比較して下げるような発言も、好ましくないでしょう。
リスペクト
マジ大事
面接官が、ラノベ嫌いの可能性
最後に、もうひとつ懸念事項に触れておきます。
「ラノベが嫌いな面接官」
これは、ありうる可能性です。
しかし、「だから、ラノベを答えるべきではない」という理由にはなりません。
面接官が、ラノベを好きか嫌いかを、事前に知ることはできないからです。
これは、本の質問に限らず、「好きなスポーツ」にしろ、「好きな映画」にしろ、同じことが言えます。
面接官は、『野球』が嫌いかもしれないし、『スターウォーズ』が嫌いかもしれない。
でも、わざわざそれを避ける必要はないし、避ける方法もありません。
面接官が好きな作品を当てる
クイズじゃないので
逆の立場で考えると、わかりやすいです。
あなたが面接官で、自分がよく知らないコンテンツを好きな応募者が来たとして、それだけを理由に優秀な人材を不合格にしないですよね。
大事なのは、ラノベやダンまちをよく知らない相手の気持ちに寄り添って話すことだけです。
こんな応募者さんがいました。
撮り鉄の応募者さん
以前、「趣味は、鉄道写真です」という応募者さんを面接しました。
私は、鉄道写真のことは全然わからなくて、「撮り鉄」のトラブルがニュースになったことくらいしか知らなかったので、「トラブル多いらしいですね」という話題を振ったのです。
応募者さんは、「そうですね。マナーが悪い撮影者がいることは、本当に残念です」と切り出し、トラブルの例を挙げて原因と対策を説明してくれて、「マナーに気を付けている本物の鉄道写真好きはかっこいいです」と締めました。
この回答から「撮り鉄は、ヤバいオタクの可能性があるから不採用」ってならないです。
回答からわかるのは、この応募者さんが「鉄道写真の知識が無い人にもわかりやすい説明ができる」、「趣味に情熱を持っている」、「客観性がある」といったことでしょう。
私にとって、よく知らない趣味だった(ぶっちゃけ、そんなにいいイメージがなかった)「撮り鉄」の話題だったからこそ、上手な説明をしたこの応募者さんを、より好印象に感じたし、こうして記憶に残ってます。
マイナスがプラスに転じる
ギャップ萌え心理です
ラノベ嫌いの面接官が相手でも、卑屈になったり、意固地になったりせず、聞く相手の気持ちに寄り添って、好きな物語の魅力を語れたら、ちゃんと相手に伝わります。
まとめ
ということで、「採用面接におけるラノベ」について、面接官の視点から、まとめてみました。
面接官も人間なので、知らないジャンル、興味ないコンテンツはあります。
私も、鉄道写真とか、釣りとか、アメフトとか、まったくわからないけど、それを理由に不採用にするなんて考えたこともありません。
もし万が一、「面接の回答として、ラノベなんて非常識です!」とかキレて不採用にするような頭のおかしい面接官に当たったら、「そんな人がいる会社に採用されなくてラッキー」ってことですよね。
以上となります。
長い記事にお付き合いありがとうございました。
ラノベ好きのみなさんの就活がうまくいきますように。