読書感想文:『豚のレバーは加熱しろ』2巻【書評・ラノベ】

2023年1月23日

『豚のレバーは加熱しろ』2巻はどんなラノベ?

電撃文庫公式サイトより引用
あらすじ

再び転生してきた豚さんが、ジェスたそを探して大冒険。黒豚さんやロリっ子も出るよ。

鮪田スコア

77点 ★★★★★★★☆☆☆

↓1巻の感想はこちら

『豚のレバーは加熱しろ』2巻を読んでみた!(※ネタばれあり)

面白くてあっという間に読み終わっちゃった1巻と比べて、2巻の序盤はなかなか展開が重くてスローに始まりました。
重く感じた一番の理由はもちろん、我らがジェスたそが記憶を失って豚さんと離れてることなんだけど、それだけじゃなく、一緒にこっちの世界に来た黒豚さんの存在にしろ、敵につかまってグラディエーターやらされてるノットにしろ、状況も戦う相手もいろいろ広がって複雑になっちゃって。ああ……1巻の二人旅が恋しい!ってなりました。

ところが、30%過ぎたくらいからじわじわ面白くなってきました。
嗅覚と推理で行くべき場所を特定していく豚さんたち。ノットは看守少年とイェスマのどちらも犠牲にせずに脱出できるのか。どのドラマも読んでてわくわくでした。

そして、中盤で豚さんとジェスたそが合流してからはずっと楽しいです!
記憶は失ってても、それが新鮮なエッセンスになりつつ、このラノベの真骨頂である豚さんのHな思考をジェスたそがゆるく読みながらの会話を、「ああ!これこれ!」と堪能しました。この物語は冒険活劇としてもめちゃ面白いけど、究極的には主役二人の関係の心地よさを楽しむことに尽きるんだなって思いました。あれこれあった末にちゃんと邪魔者無く二人で行動する状況を作ってくれててすごい嬉しいです。前半で「お預け」されてたぶん、余計に豚ジェス成分が沁みました。

終盤は、呪いを使う魔法使いとのバトルや、ジェスたそが記憶を取り戻すまでのお話で、それはもう夢中で読みました。ジェスたそ日記のせつないこと。。。あと、封印じゃなくて消去ならできるっていう王子の提案を受け入れた豚さんと、その答えを聞いて消去しないことを決めた王子どっちも男前で胸熱。かっけええ

序盤に「1巻と比べて複雑になっちゃったな」と感じていた原因のひとつだった黒豚さんたちも終盤はあんまり登場しなくて、ちゃんと豚さんとジェスたそでお話が展開してました。
二人のエピソードと、他キャラ絡みのエピソードを比較すると、読んでいて体感時間が10倍くらい違うんですよ!
序盤、「ううっ、展開が重い。。。!」って感じてたとき、ふとkindleの%を見て「まだ16%か」みたいに思ってたんですよね。なのに終盤二人が一緒のお話だとで読めてしまう。豚さんジェスたそという至高の組み合わせが生むウィット量物語を動かすエネルギー量は尋常じゃないなとあらためて思い知りました。
記憶が戻っての3巻めちゃ楽しみ!
今夜はトンカツだ!!(←)